第1号 北京で感じる福島原発放射能漏れの恐怖

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     第1号(2011年4月5日)
  ▼ 北京で感じる福島原発放射能漏れの恐怖
  ▼ 中国の「混乱」と「活力」
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▼ 北京で感じる福島原発放射能漏れの恐怖

 八年間も生活した福島が世界の関心を集めているが、原発の放射能漏れの恐怖が北京も襲うとは、とても想像できなかった。3月17日、北京など中国の都市では買占めがあり、スーパーの塩が売り切れとなっていた。北京にある日本料理店には「本店が扱っているマグロは日本から輸入したものではありません」との掲示もあった。

 「いまはたいへん苦しんでいる。中国にいる両親に電話をすると、日本は危険だ、すぐ戻って来いとばかり言われる。知っている情報が私より多いようだ。何回か言われるうちに、自分も不安になってしまった」。福島原発の放射能漏れの問題について、東京で生活している中国人の友人が、こう悩みを打ち明ける。

 だが、原発と60キロしか離れていない福島市在住の元大学教授は落ち着いている。「ガソリンがない、商店も閉店、原発の心配もまだ残っているが、安定に向かっている。外で騒いでいるほどではない」。同じ事件に対して、現場から離れれば離れるほど恐怖感は大きくなるのだ。

 原因はそれぞれ置かれている「情報空間」にあるようだ。今度の被災地とかなり離れている中国では、メディアから情報を得るしかない。だが、メディアの災害報道が被害状況を中心とするため、衝撃な画面を何回も繰り返して放送されている。事件発生地に関する知識も不足、客観的に全体像を把握するのが難しい。そのとき、ネットを通じてデマが飛び交い、恐怖感があおられるのだ。

 中国で反日デモが発生した時、ギョーザ事件の時、日本で起きていた恐怖感も同じであろうか。

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▼ 中国の「混乱」と「活力」

 三月に初めて中国の「両会」(全国政治協商会議と全国人民代表大会)を取材した。最も印象に残ったのは中国共産党中央党学校李君如元副校長をインタビューした時、社会管理強化に関する発言です。社会管理の強化については、「インターネット管理を強化」との見出しで報道する日本のメディアが多いだが、社会主義に市場経済を取り入れるような中国将来十年、二十年の行方に係わるものだ気がする。以下の李君如元副校長の話し。

李君如:

 改革開放後、中国社会は総体的に良い方向に発展しています。ただ一部の人々は、中国社会はすでに「混乱」のなかにあるとみている。たしかに混乱はありますが、「混乱」は、また「活力」とともににあるものです。活力にあふれた社会は、沈滞しきった社会よりも常に良いものです。

 けれど、この「活力」が伴う問題をうまく処理しなければ、「活」は「乱」となり、負の方向に向かいます。このとき、私たちは真剣に、中国社会の構造の変化、変化に対応する管理方式を研究する必要がある。

 中国社会の構造の変化は、主に単一的の社会から多元的な社会へ、静的な社会から流動的な社会へ、閉鎖または半閉鎖的な社会から開放された社会への変化です。個人の具体的ケースでいうと、「会社」のなかにいた人間から「社会」のなかにある人間となり、単一的利益の享受者が、多元的利益の享受者になったということです。

 中国社会にはこれほどに大きな変化が発生し、元来の管理方式と体制を守るだけでは、すでに不適応となっている。ある問題に関しては、コントロールが失われ、不具合が起き、矛盾の激化がみられます。これは社会管理理念、社会管理制度、社会管理方式と社会の変動、現実との間の矛盾、不適応の顕在化です。ですから、この時期に社会管理体制の創新を提案するのは、現在の中国社会の発展が必要とする重要な措置です。

全文は下記アドレスまで
http://www.peoplechina.com.cn/zhuanti/2011-03/06/content_338913.htm